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ミス・サイゴン [ミュージカル]

ミス・サイゴン
東京公演:2008年7月17日(月/プレビュー公演)~2008年10月23日(木) @帝国劇場
福岡公演:2009年1月3日(土)~2009年3月15日(日) @博多座
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【ものがたり】公式HPより

物語は陥落直前のサイゴン(現在のホー・チ・ミン市)。フランス系ベトナム人―通称エンジニアが経営するキャバレーでのアメリカ兵クリスと17歳のベトナム人の少女・キムの出会いから始まる。
 この戦争に大きな疑問を持つクリスと戦禍ですべてを失い生きるすべを求めてこの店に働きに出たキム・・・二人の出会いはすぐに恋に変わった。
 お互いに永遠の愛を誓いながらも、サイゴン陥落の混乱の中、米兵救出のヘリコプターの轟音は無情にも二人を引き裂いていく。
 エンジニアと共にバンコクに逃れ、クリスがいつの日か迎えに来てくれると信じながら懸命に生きるキム。しかしそのキムには、誰にも明かさぬ秘密があった。それは、クリスの帰国後に生まれた彼との子、タム。
 キムにとっては、タムだけが唯一の希望、そして生きる力だった。
 それをも知らず、ベトナム戦争の後遺症に苦しみながら連夜悪夢にうなされるクリス。やがて、彼は新しい人生を始めるためにエレンと結婚する。ところがある日、彼は戦友のジョンから、キムが生きていること、そしてキムと彼の子供の存在を聞かされる。
 愕然とするクリス。
 キムとクリスの運命の糸をあやつりながら、したたかに「アメリカン・ドリーム」を追い求めるエンジニア。キムに会うために、バンコクを訪れるクリスとエレン、そしてジョン。
 キムの願いは、タムをアメリカに渡らせ希望に満ちた未来を作ってあげること。その為に、キムは自らの命をかける思いだった。 そして・・・不幸なすれ違いが始まる。



出演者

筧  利夫   エンジニア
新妻 聖子  キム
井上 芳雄  クリス
岡 幸二郎  ジョン
鈴木ほのか  エレン
泉見 洋平  トゥイ
菅谷真理恵  ジジ

2008年8月30日(土)12:00
1階U列24番

セゾンカード&イープラス貸切公演
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一度は観てみようと思っていた作品の一つだけれど、数十年前の私なら戦争物だから観なかっただろう。
ベトナム戦争の事は、枯れ葉剤の散布や被害に遭われたベトさんドクさんの事しか知らない。
戦争は人を狂わせる。
アメリカの軍人であれば、命令が出たら戦地に行かなければ国家反逆罪で罰せられてしまう。

キャバレーで出会いアメリカ軍人であるクリスと生きる為にホステスになったキム。
G.I.達の目的は金で遊べる女達。
女達の目的はアメリカ行きのビザ。
もがき苦しむクリスに金で女は何とでもなると言い、エンジニアに金を渡し、キムと一夜を共にしてこいと。
金はなくとも女は抱けると言い、キムと一夜を共にし、互いに引かれ愛結婚式を上げるが、キムの許嫁が登場したり、
本国から帰国命令が出て、二人は引き裂かれてしまう。
引き上げるシーンは、上からヘリコプターが登場し、丈夫な劇場だわぁ~と感心しつつ、もの凄い迫力があった。
戦地ではないアメリカに帰れる者と、戦地のベトナムに残される者、門の中と外わずかの距離で離れ離れになる二人。
(ヘリコプターと後に登場するキャデラックを観られるのは、オリジナル以外では日本のみ。)

キムはクリスの子を産みひっそりと生活をし、クリスが迎えに来てくれる事を信じていた。
クリスは戦争の悪夢にうなされ、傍らにはエレンと言う妻の姿があり、ジョンはアメリカ兵とベトナム女性の間に産まれた私生児ブイ・ドイをアメリカに呼び寄せる活動をし、二幕の冒頭でブイ・ドイ達の映像をバックに「生まれながら不幸な人はいない。」と演説をしている。
この台詞を聞きながら感じたことは、生まれながらに不幸はあると思う。偽善者?or本来の姿?どちらなの?

戦争と言う究極な状態とは言え、娼婦(慰安婦)達を買っていたのに。
私が女性だからかも知れないが、戦争だからと言う理由で、許される行為なのだろうか?


エンジニアは、G.I.相手の商売をしていた為、強制収容所へ送還され、思想教育を受け、思想が変わったと口にはしているが、そんな事は全くなくアメリカン・ドリームと言う野心は消えていない。
筧さん基本最初から最後まで怪しすぎる。
テレビ(バラエティー番組)で見る胡散臭さが役に出ていて、もしかしたらこの胡散臭さでキャスティングされたんじゃないかと思う。

キムの婚約者であるトゥイは軍の幹部となり、エンジニアにキムの居所を探させ、タムの存在を千載一遇のチャンスと企むエンジニアに、アメリカ人の子供を殺そうとするトゥイだが、クリスに証(妻の)として渡されていたピストルで逆に殺害されてしまう。

キムとエンジニアは、またキャバレーで働き、アメリカではジョンからクリスにキムと子供の存在を聞かされる。
それを知らせたのは、下心ありのエンジニアで、ジョン・クリス・エレンはベトナムに向かう。
芳雄くんの普段着な衣装は初で、チョッピリ違和感を感じつつ、観る作品観る作品心の葛藤が多い役ばかり。かも私。

タムは愛する人クリスを待ち続けたのに、クリスは新たな人生を求めエレンには何も話をせずに結婚をしていた。
隠しておけば、万事幸せかも知れないし、戦争で苦しんだのかも知れないけど、
一度帰国し反戦運動の激しさに負け、ベトナムに戻るのを選んだのはクリス自身。
待つキムに父の顔を知らないタムに夫の心の闇を気が付きつつ愛する妻エレン3人を彼の弱さが苦しめることになる。
ベトナムに来ていることを知りホテルに結婚式の時のアオサイを来て会いに行くも、エレンのみに会い自分達の子供を産みたいとキムの願いであるタムのアメリカ行きを拒否するエレン。
ベトナムに連れて行くなら先に話をしておけよと感じつつ、どちらもクリスを愛する気持ちに嘘はない。


キムはクリスの拳銃で自殺をし命を懸けて、タムのアメリカ行き、幸せな生活を望む。
ラストが想像出来てしまったので、あぁ~やっぱりこう言うラストかぁ~と思ってしまった私がいて、
感じることを拒否してしまった私に失望をしてしまった。


実際にこう言う事に近いことはあるだろうと思うが、戦争と言う言葉で片付ける事は出来ない。
人は生きる環境で変わっていく、でも変えてはいけない事もある。
ラストが見える作品だし、重苦しい作品だけど、エンジニアの怪しさが緩和剤となり、息苦しいだけの作品ではなかったけど、色々と考えさせられた。
怖いのは戦争ではなく、人間。

身内の知り合いの旦那さんが、まさしくアメリカ兵で、いまアフガンに赴任していたりするので、そんな事を加味しながら、観ていたので、一人色々複雑な思いになってしまった。


もう一度、観てみて考えたいと思うけど、もう日程的に無理かなぁ~

1.2階の柱に貼ってあった出演者の色紙。
 

 




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コメント 1

えりか

はじめまして。

サイゴン、初めてご覧になったんですね。
あぁ~やっぱりこう言うラストかぁ~と思ってしまった私、良くわかります。
その感想。私も始めて見た時はこの、救われない話は何っ?
って思いました。
ブイドイのシーンにしろ、クリスにしろいつも、ちょっぴり白人至上主義なんだな、って思ってしまう私はアジア人なんでしょうね。
by えりか (2008-10-15 11:47) 

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