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4センチメートル [観劇]

風琴工房Presents『4センチメートル
2016年12月21日(水)~2016年12月29日(木)@下北沢ザ・スズナリ
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2016年12月23日(金・祝)19:00 A-7

【ものがたり】公式HPより

多くの肢体不自由者とその介護者にとって生きるための必須アイテム。
「車」。

本作品は実際にあった福祉車両の開発とその困難を描く詩森ろばの新作です。
「4センチメートル」は、
車椅子を車椅子ごと載せるために、
普通車両を改定するための車高の差。
4センチメートルが分ける健常と障害の距離。
その距離のなかにある、
問題と希望を音楽劇のかたちで描きます。

出演者
中井田茂樹  杉木隆幸
(ECHOS)
津埜  佐野功
弦巻  酒巻誉洋
根占  根津茂尚
笘篠  岩原正典
寺岡  寺井義貴
(ブルドッキングヘッドロック)
三池  三原一太
(はらぺこペンギン!)
桃山/母1  李千鶴
加納/母2  小玉久美子 
(ホチキス)
美代子/母3  田中千佳子
知世  ししどともこ
(カムヰヤッセン)

戯曲・演出・宣伝美術・衣装:詩森ろば
作曲・演奏:後藤浩明

11/中旬からもしかしたら毎度おなじみの発作が起きそうな予感がしていた。
注意と対策をしてはいたけど、予感は的中。12月初旬から発作が起こり寝たきりになった。
発作の状態はいつも通りでなく、いつも通りの対策を試みるも今回の発作には一切今までの知識は役に立たなかった。病院に通院し続けた。
会社は休職、12月たくさん舞台のチケットを取っていた。
チケットは一部譲渡。一部譲渡することが出来ず空席を作ってしまった。
どうしても観たい舞台は無理して観に行ったけど、終演後辺りから体は怠く、スマートフォンのアプリで熱を測ると微熱。(自宅に戻り体温計で測定しても微熱)そして、発作が悪化して再び寝込んだ。

今週に入り大量の薬のお陰で何とか寝たきり生活から脱出。
発作は治まり通常状態に近い状態に戻った。(もちろん体力はがた落ち)
家のことや外出も出来る様になってきた。
お蔭でそこそこな状態で『4センチメートル』を観に行くことが出来た。

あらすじは読んでいる。
車椅子の方とサポートする家族の方々がもっと気軽に乗り降り出来る車(福祉車両)を作りたい。
と情熱をかけた大手自動車企業と従業員のお話。

セットは工場のようでおもちゃ箱のような感じ。
そして聞いたことあるメロディもありつつ音楽劇。
聞いたことあるメロディと諸々は笑うしかなかった。
でも、今回の作品は音楽劇だったからこそ私は助かった。
ストレートでぶつけられたら私は最前列で倒れていたと思う。

弱者に優しい世界を!などと国や一部の民間企業などは言っている。
バリアフリーと言うのかな?(今は他の言い方もあるのかな?)
でもね。バリアフリーは形あるものだけとは限らない。
今回は、福祉車両の話。私は、中途障害に15年前(障害と認定されたのは10年前)
15年前よりは病への理解は現在かなり高くなっていると思う。
ただ、15年前藁をもすがる思いで病院へ通院した。
私の障害の一部分が(今では発症することが分かってきたらしい)一部分のために医師には気のせいとか寝られるんだから自律神経のバランスが崩れているだけ。疲れているんでしょう。(もっとヒドイことも言われた)
と散々ドクターショッピングし続け言われた言葉。
どうして良いか分からない私は、病気になったのは私のせい。と当時私自身を恨んだ。
家族にも申し訳ないし、辛いし、消えてなくなりたい。と日々思い続けていた。

私の話しになってしまった。作品の感想から反れたので戻ります。
普通の基準は分からない。普通と普通より上の人は割と生きやすい世の中かな?
私の障害は見た目では分からないので、発作が起こらない限りは割と普通にあまり困ることなく生きられている。
社会的弱者は、障害や病気の人たちだけではなく、老いることは誰しもが通る道で段々弱者になっていくと思う。
老いることも障害を持つことも一部の病気になることもどんなに努力しても自身の力ではどうにもならないこと。
でも、世の中は普通が基準。
少数弱者のために国や民間も莫大な時間とお金をかけることは難しい。
私も社会人の端くれなので利益の出ないことに時間とお金はかけられないということはもちろん分かる。
街中を歩いていても障害を抱えた方に会わない日は多い。と思う。
障害や病気の人もちろんお年を召され足腰などを痛めた方などに街中で出会う機会が少ないんじゃなくて街中に気軽に出られない。から会えないだけ。
少しのサポートがあれば、多分、色々のことを見たり・聞いたり・感じたりしたいんじゃないかと思う。

誰しも一人では生きられない。
普通の人より手間のかかる弱者は申し訳ないと思いながら家族を含めた様々な人の手助けがないと生活が困難な場合が多い。
極まれに車椅子に乗られている方や目の不自由な方のサポートをすることがある。
こちらが恐縮するぐらいお礼を言われる。
私は、当たり前のことをしていると思っている。でも、そうじゃないのかな?分からないや。

車椅子の人とその家族をサポートする車(福祉車両)を作るために多くの人の情熱と頭脳と根気。
利益とか安全とか人と組織の戦いが詰まった作品。
今回は、車椅子生活を余儀なくされた方とご家族。車を愛する大手自動車企業の従業員の方にスポットを当てた作品。
様々な弱者はたくさんいる。

車と会社を愛する社員たちが自社を代表する車(コンパクトカー)を福祉車両にして、車椅子でも簡単に乗り降りができ、乗っている人もその家族も安心・安全・格安な福祉車両として発売するために、構想・観察・質問・知恵・情熱・知識・技術・プライド・支え合い・捨てる勇気・個と大きな組織の戦い。
普通の人のためだけを考えたらこんなに苦労は絶対にしないと思う。
色々なことがありすぎるから弱者には優しくなれないのかな?と思った部分と考え、動いてくれる人や企業もあるんだと心が揺さぶられた。
魂に突き刺さり、観たタイミングもあるけど激しく心に付き刺ささった作品だった。

私の発作が治まったのは『4センチメートル』を観ろ!という力が働いたのかも知れない。


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